プレリュードの部屋
Update 1999/11/01

 

別館ストリーム

 

 

ADDZEST F-750をフロントに付ける

 以前乗っていたインテグラ(横長の目のやつ)で使っていたF-750でしたが、プレリュードのリヤウインドの傾斜がきつくて後部トレイにおさまらず、泣く泣く押入行きとなっていました。しかし、純正スピーカーの音がどうにも我慢できず(クルマに手を入れても惜しくなくなってきた、というのもあるし^_^;;)F-750をばらして、ユニットをフロントに納めようと思い立ちました。

ADDZEST F-750ってのは

 クラリオンがADDZESTブランドを立ち上げたときのラインナップの一つです。12cmコーンと2個のドームユニットの3ウェイスピーカーで、エンクロージャーを持たず、取り付け面にウーハー程度の穴を開けて、トランクルームをエンクロージャーにするようになっています。店頭で聞いたときには、ほかのメーカーと明らかに違う音作りに驚きました。いわゆるドンシャリではなく、解像度の高い、カーオーディオのくせにHiFi指向のサウンド。もう、ひとめぼれしてしまいました^_^;;

 もの作りの常として、初代は作りが贅沢だけど作りがこなれてなくて、作りこなれてくると質が上がってくるのだけど、次にコストダウンのため設計が見直されて質が下がることが多いですね。特にスピーカーは部品点数が少なく音質が素材と構造に負うところが大きいため、その傾向が強いみたい。F-750は立ち上げ時の上位機種だったため、思いっきり力が入っています。マグネットも重く、ネットワークもしっかりした作りです。

 最初載せていたクルマは3ドアハッチバックだったため、トランクルームの十分な密閉が得られず、F-750はシャリシャリして芯のない音を出していました。大きな改造をしたくなかったので、不本意ながらその状態で3年過ごしました。その後、今乗っているプレリュードに買い換えたのですが、リヤに載せることが出来なかったわけです。

 普通、スピーカー回りのクオリティーアップは「防振」、「防音」、「吸音」、「ケーブル」などなど、よけいな音を排除する方向でいじっていくんですが、プレリュード純正のスピーカーを少しでもいい音で鳴らそうと、吸音材を入れ、防振ゴムをドアの鉄板に張ったりしたら、これが逆効果でした。量感がなくなり、たとえて言えば、せっかく化粧でカバーしている顔をすっぴんにしてしまった感じです。

 そういえば、ダッシュボードの両サイドには大きなスペースがあったなぁ。そろそろこのクルマも下取り価格下がりきったよなぁ、なんて考えてるうち、押入のF-750をバラして入れるアイディアをまた思い出してしまいました。

見た目はこんな感じ

 全然変わってないでしょ。ぱっと見では分からないはずです。でも、一皮めくると‥‥

 ってな感じです。

ツイータとスコーカの取り付け

 筐体から外したユニットをダッシュボードの取り付けスペースに並べてみて、取り付けられそうなことを確認してから固定方法を考えました。ユニットにたっぷり接着剤を付けて固定するのも一案ですが(笑)、何らかの理由で外す必要があったときに簡単に取り外せるように、ユニットのフランジと取り付け金具を別々に作りネジ止めすることにしました。

 ユニットのサイズを測り、フランジを作ります。材料は厚さ3mmのアルミ板で、取り付け穴、接続コードの取り回し、ユニット間の干渉などをよく考えて形状を決めます。

 最初のうちはユニットを持って設置方法を検討していたのですが、強力なマグネットのせいでユニット同士がくっついたりして、危なくダイヤフラムを破損しそうになって冷や冷やしました。そこで厚めのスチロールと段ボール紙でダミーユニットを作ってこれで位置決めなどをします。

 フランジができあがったら、ダミーユニットに取り付けます。次は取り付けスペースの中でどのような位置に固定するかを詰めたら、取り付け金具の型紙を作るため段ボール紙をフランジに適当な形状で取り付けて、位置決めをしながら段ボール紙を折ったりはさみで切り取ったりして形を詰めていきます。出来た段ボール紙の形をアルミ板に移して取り付け金具を作成します。作成にはカナノコ、ヤスリ、工作台、万力、ドリルのほかに、電動工具のディスクサンダー、アルミロウ付けセットなどを使いました。ディスクサンダーとアルミロウ付けセットは金具を直角に折り曲げる部分にディスクサンダーで溝を付けてから折り曲げ、ロウ付けして強度を確保するのに使用しました。また、フランジと金具との取り付けはネジを使用するため、金具側にネジ山を切っておきます。部材がアルミのためあまり強くトルクを掛けられません。走行中のネジのゆるみを防止するため、ネジロックなどを使うことを強くお勧めします。

 出来た取り付け金具をダミーユニットの付いたフランジに取り付け、取り付け位置を再度確認してからエポキシで取り付けます。接着相手がABS樹脂で、これでは強度不足になるのは目に見えているので、固着してからドリルで穴を開けてタッピングビスをねじ込みます。ただ、位置的にドリルが届かない部分もあり、一部分のみにビスをねじ込んであります。

ウーハーの取り付け

 ウーハーは奥行きがあり、また取り付けネジ穴の位置が純正と全く異なるため、取り付けフランジを木材を加工して作ります。1cm厚のベニヤをドーナツ状にくりぬいたものを純正の取り付け部品(プラスチック製)に接着剤併用でネジ止めしました。この厚さが微妙で、厚すぎると内装に当たってしまうし、薄いとウィンドウがぶつかって下がらなくなります。プラスチック部品もカバー部分をホットナイフなどで切り取って、フランジ部分のみを使います。外部からの水、ホコリが心配ですが、ウーハーのマグネットの真ん中に開いている空気抜き部分に、粘着ステンレステープで屋根を作ってやりました。

配線など

 本当はウーハーの配線に太い線を使いたかったのですが、どうしても通せなかったのでフロントスピーカー用としてハーネスから出ている線をそのまま流用しました。ウーハーは隙間テープを敷いてから取り付けるとフランジ回りの音の回り込みが少なくなります。

 ここで、トラブルがありました。古いユニットの上、ウレタンエッジだったため、ぼそぼそとエッジが崩れてしまうのです。一時呆然としてしまいました‥‥ が、クラリオンの営業所に問い合わせてみたところウーハーユニットは取り寄せ可能で、一台\2640とのこと(1998/05/11)。まさに地獄から天国でした。

 クロスオーバネットワークのウーハ出力をカーステレオ→フロントスピーカー端子に繋ぎ、ツイータ、スコーカ出力をそれぞれのユニットにつないで、ネットワークをダッシュボードの裏側に固定します。

 ツイータ部分を覆うフロントグリルは、ツイータの部分しかスリットが開いていません。そのため一度ネットを剥がしてスコーカの部分のスリットをホットナイフなどで開けてから、新たにネットを張る必要があります。ネットは昔スピーカボックスを自作していた頃のものが残っていたので、それを使いましたが、最近は店頭で見かけることがなくなりました。関東の方ならハンズあたりで手にはいるのかもしれません。ネットはセメダインクリアを使うと簡単に張ることができます。ただし後で剥がれやすいので接着剤は多めに使い、生乾きのうちにしっかりと接着します。

吸音処理など

 以前、純正スピーカの時に吸音材を仕込んで逆効果でしたが、今回はウーハーがしっかり仕事しているので、吸音もしっかりしてやる必要があります。建築用保温剤のグラスウールを詰め込みました。また、ドアの外装の鉄板の裏側には防振ゴムを張り付けています。

 実際に音を鳴らしてみると、ウーハーのパワーが上がったため、今までは何ともなかったところが共振したりしてきます。低音の豊かなソースを鳴らしながら原因を探します。今回鳴っていたのはパワーウインドウのコントローラでした。内部にスポンジをぎゅうぎゅうに詰め込み、周囲にも張り巡らして鳴らないようにしました。

そして、現在

 取り付けてから1年以上が経過しました。取り付け部分のゆるみなどもなく、結構荒っぽく使っている割には(笑)全くトラブルなしです。音に関しては、惚れ込んで買ったスピーカーだけに言うこと無しで、以前純正スピーカーでは聞こえなかった音が聞こえてきて「こんな音も入っていたの?」と改めて驚くこともしばしば。リアで鳴らすよりもずっといい音出していると自負しています。

 現行(1999年現在)プレリュードになって、無駄なスペースが無くなり、ダッシュボードにスコーカを取り付けるなど無理になってしまいました。ほかのクルマと比べてもこんなことが出来るクルマは先代のプレリュードぐらいなものでしょう。中域までしっかりと前方定位が実現できる唯一のクルマなわけです(笑)

 

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